9月号
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Rハスの巻葉もよくみれば変った形である。鐘のしゅもくの形によく似て造形的に見れば中々面白い形である。偶然、切りとった中に曲線のある巻葉があった。手にとってみてこれは面白い形と、あしらいの花はベルベロンという洋花を添えて瓶花に活けることにした。緑の葉に黄掲色の花をつけて咲くベルベロンは露地栽培の反の草花だが、辿の巻棠に洋種の草花というのも配合が変わっているし、色も渋い色調の中に明るさが必じられて面白い趣味の花といえる。こんな取合せをすると辿の次」仰ぷも新鮮な感じがして、第一、水揚の心配もなくて、蓮の新しい活け方ともいえるだろう。写真をみると左方の巻葉がぐっと曲がっているが、これは自然のままで、特に左方へ長くさし出して変化のある花形につくりあげた。迎という材料の伝統的な観念をつき破って、これを新しく表現しようとする考え方なのだが、思えば常識の中には固定されたとらわれというものが案外多いことに気づく次第である。⑧ 辿は印度、マレー、中国の中部南部、日本などに多くある東洋の花であって、色は白・紅の花が多く、その種類も数百種に及ぶと言われております。北アメリカのオンタリオ、フロリダ、ミネソタ及びテキサス東部、或は南米の北部地方には黄色の花を咲かせる蓮があり、花は淡黄色で呑りが非常に高く、アメリカインデアンはこれの蓮根、呆実を食用にするということです。H本の蓮は紅・うす紅、白・紅白のまだらのものが多く、黄色のものはありません。中国は述の多い国でありますが日本のものとは品種が異なり、土質の関係から植物の病気をうけることが少く、この品種が日本に沢山入って来て、現在、日本に栽培されているものには中国迎がかなり多いということです。5 .... .... ` ヽこ!Iii 口

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