9月号
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各ページの風景写真9作(小西辿写爽)伝統のいけばな(小花、立花)では、迎を活けるのにひらき葉、巻葉、花の一_秤を配合して形を作りあげる。過去(実)現在(花)木米(巻築)を―つの花形の中にあらわす、という考え方なのだが、仏教からきたこの考え方は自然、形式的となるのは当然である。立花や生花はこの形式の中に技巧の厳しさ、花の品位に重点をおいて、伝統花は伝統花としての美を作りあげているのであるが、盛花瓶花に活けるハスの花は、あくまで自然の花であり、柏物の新鮮さを自由に活けようとする性格をもっているので、ある場合には花だけ活けることにもなりまた葉だけ活けるのもよく、巻葉だけ活けるのもよいということになる。副材も自由に選択して新鮮な感じを作りあげるようにする。R芦の穂にまこもの葉をあしらって、蓮の花2本、ひらき菜1枚。花堺は股家の道具入れの篭を使った。素朴な野趣のある投げ入れである。紅辿の咲く池につづく木津川の河岸は芦とまこもとすすきの罪がった芹原だった。この中から採集した材料をすぐいけばなに使ったのだが、新鮮な刊然が悠じられてみずみずしい。黒い褐色の篭は古さびてしっとりと落杓きをみせている。この花器に野趣のある花材は、その環境とびったりして、深々とした自然の風雅が成心じられる作品、といえるだろう。4 ... iR

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