9月号
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仙頑張扇司糸芭蕉蓄積花型草型副流し花器濃紺利水盤中国の文人は害斎の庭に首峯苔植えるのが好きらしい。そして水墨画のモチーフでもある。「柳爾志異」の挿絵にもよく描きこまれている。芭蕉はもともと長江以南の温暖な地方の植物だったのだが居住地が北の方が主になっていた人々が、長江の方に越してきでから親しまれるようになったらしい。その芭蕉は葉が二おほど。パタパタと風に吹かれて裂けている。そんな大きな葉をいけてみたいのだが床の間には入りきらない。糸芭蕉(芭焦科)なら手頃な大きさなので時々いけている。生花にも自由花にもなる緑の美しい葉である。花屋では一本に葉の三枚ついたのを売っている。作例はそのうちの一枚をはずして胴に用いた。留の蓄積は、一本を上下に切り分けて、下の部分についている葉ですき間をおおった。7 高リ留

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