9月号
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かるかや〈るめすす主あぶらすすき飽きない花器棲稲科の植物は、穂の出ない竹や笹は別として、人間の食生活に穀物として深くかかわってきた。米、麦、粟、黍、稗の栽培の歴史は古い。そして米や麦も、もとをたどると野生植物であった。え植のこ物ろのぐさ分類表を見ると、粟は稲科の狗子草属に入れられている。そして粟の先祖なのだそうである。それを人類が何千年もの間に重要な栽培植物に育て上げた。食用の穀類の種類は数限りなく多い。そして栽培化されない野生の稲科の植物が秋になると穂を出す薄や狗子草、刈菅寸芦その他いけばなにつかわれるものが多い。作例に用いた稲科の植物は、油薄と聞いたが、植物図鑑に写真と解説の出ている「生蛮萄黍」に葉の幅や穂の形が似ている。生蛮萄黍は古くから小笠原諸島に野生していた温帯植物である。秋には穂をつけた稲科の植物をよく使うが、とり合わせるのはやはり秋の花。この投入には久留米鶏頭と同色の鶏冠鶏頭をへ使んこった。花器は父も仙渓も好きな一崩査であるが、安定が良く花がいけやすい。正面向きに使ったり、縦向きに細く見せたりしてこれからも度々使いたい。花材生蛮萄黍鶏頭二種花器白地黒抽象文一崩査せいばんもろζL9 子

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