9月号
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今月号では6種類の野菜を、いけ花の花材として使ってみたが、それは他の花ととりあわせても花材として立派に通用するからで、決して珍らしきを求めたものではない。野菜ばかり集めていけてみるのもいいだろうが、それでは野菜という本来いけ花材料でないものでもいけ花になる、というアイデアがちらついて感じがよくない。昔から全りものをとりこんだいけ花はあったが、必ず花として、或は植物としての見所を見極めて使われていたのである。ところでこの頁に使ったレッドジンジャーとカラジュlムは、表紙の京辛と4頁のバナナを台所にまわしたあとの、いわば残り花である。熱帯産のジンジャーは、いけ花材料として原地から輸入されているがかなり種類が多い。作例に用いたレッドジンジャーはトーチジンジャーによく似ているが花被片は固く、あまり変色せず長持する。重たい花なので傾けず直立させていけるが、とりあわせは洋花に限らず、松や栂とがなどともよくあう花材である。主材、副材共に赤が基調になっているので赤の明子融干の花瓶を使ってみた。花材カラジュlムレジャー花器切子硝子花瓶赤をテiマにッドジン8

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