9月号
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作菊真二種挿し副流し花器大谷焼花瓶よほど考え、そして修練をつまない限り、花材の持つ特性から離れた花型は作りにくいものである。例えば若松は真の花型にいけられたとき自然な美しきが感じられる。花屋で売られている菊は真直に育てられており、捨て育ちの菊のように暴れていない。こんな菊を無理に撰めても昔の絵図に遣されているような曲線の美しい生花にはならない。満作も、その自然な樹形を考えていけるなら、作例のような副流しが親しみのもてる花型であろう。枝は細く、目立つが、その大葉をすかしてやると形のよい小葉が現われる。整葉した枝の中で形のよいのを副に用い、軽くのばして副流しとする。彩りにそえる小菊は、できるだけ腰の曲がったものをえらび、更にそれを少し携めて形をととのえ、く重みのある留側を作る。花材と花型8lmでの大きな葉が短か4 j前

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