9月号
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利山で買った民芸調の平篭(ひらかご)に、蓮を活ける。陶器の鉢を入れ剣山で留める。ひらき葉3枚、花3本、巻葉1本を材料にして、これは古雅な感じの盛花になった。盛花にはなるべく小さい葉を選んで活けると格好がよい。切りとってすぐの花だから開花も芙しく、掲色の荒目の篭によく調和している。いかにも夏の花らしいすがすがしさがある。迎や河骨は花屋まかせではよい花が作れない。自分が採集して活けることである。R古い備前焼の人きい水盤にオミナェシ、ハスの二利を盛花にする。オミナェシはほとんどの場合、背高く立ててあしらいの花を低く使うのが普通だが、この盛花ではオミナエシを低く切り、頭を揃えるようにして挿したのが変わっている。オミナエジの淡い黄色に、池の開花の淡紅の花、黄と紅色がさびた落培きのある色の配合で、日本の古い色調を感じさせる。私としてもオミナェシをこんなに短く切って集めたのは初めての試みである。⑧ R 10 盛花2作

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