9月号
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R花1本、葉1枚の単純な小品瓶花。花器は掲色の長方型の扁壷(へんこ)葉もまるい形である。ことにこの蓮は花茎に曲線があり、花の茎もゆるい曲線にまがっている。大変形のよい材料である。これに対して花器は方形の直線をもっているので対照に変化があって調和がよいと息う。。蓮の花も花器の口の細い閲係もあって、二本の花材ですっきりとした恙じに仕上げた小品花であn然る。述の茎がこんなに曲がっているのも珍しいが、その特徴を活かすように活けあげるということも、花を活かして使う技術といえるだろう。そして、この瓶花にも明る<すがすがしい屈じがある。七月の末、金沢市の用事をすませて、よきついでに妙蓮の寺、持明院を訪れた。金沢駅から三00メーターほどの入りくんだ町の、普通の民家かと思われるようなのが持明院だった。ビルの裏に古さびれた神社がありその隣りがこの寺だった。持明院は真言宗大党寺派の末寺で、餅峨流/花教授の凹棟がかかっている。中は案外に広く本拡の裏庭に金沢の妙蓮一〇をかこんでビルが立っている。辿見の座敷が設けてあって、米客がたえずあるのだろう。時期が少し早く花もつぼみのものが少しあがっていたが、ここが日本的に有名な「妙辿」の守かと、開花が見られないのが残念だった。滋紅県守111の妙述とともに天然記念物に指定されている辿で、一本の花茎に数多くの花を咲かせる珍しい迎である。この場所にしか咲かないというのも不思議だし、涎の横やI寸の池に咲くというのも、なんとなく因縁じみている。00坪程度の辿池があって、この池に@ 贔冒

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