8月号
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前号の盛花基本型の写真をもう一度みて下さい。水盤もいろいろな形のものがありますが、この写真にある程度の大きさと深さが、一番活けやすい形です。菊は白、あじさいの淡青、ぎぽぅしの葉は緑青、菊の葉は涙い緑色で、あじさいの葉は黄緑色、それぞれ緑色の中にも色の違いのあることを注意します。花器は少し青味を帯びた黒色水盤で、この花と器は大変美しい調和です。誌上講座盛花瓶花入門R 行をつくることも大切であります。専渓花と花、葉と葉の中に適当にすきまを作って、それによって花形を作ります。また、前後を深く作って奥この基本型は、習いはじめの一ばん最初に活ける花型で、材料が変つても、この基本型と同じ形で練習するのがよい訳です。さて、この盛花と同じ花型を瓶花(びんか)にうつしかえて見ましょう。ここに掲げた瓶花基本型は、同じ花型です°瓶花は盛花とはいろいろな点において、異るところがありますが、基本花型は同じであって、前号の盛花基本型も、ここに掲載した瓶花基本型も同じ花型でありま瓶花の場合す、この二つを対照してよく考えて下さい。この図は、なつはぜ、菊2種の配合ですが、Rは真、副を一一本入れ、R胴に一枝を加え、cの如く菊の副材を、中間、控、留と3本入れております。花器と材料が違つても、花型そのものは同じであります。この盛花写真と、瓶花の写図を比較してみると、枝の配置や花型は同じではあるが、盛花は賑やかにたっぷりと入っており、瓶花は淡白に軽やかに入っております。盛花と瓶花はよく似た花形でありますが、多くの場合、盛花はたっぷりと材料を入れ、瓶花はあっさりと入れて、それぞれの特徴をもたせる様に考えます。段々と進んで行くと、この区別もなくなり、大体、同じ様な花型になって行きますが、な考え方で進んで行くのがよい訳です。最初は以上の様盛花も瓶花も奥深い花型がよいのです。後方へずつと控えて入れた花葉、前方へつき出る枝葉、これによつて深みの花型が作れます。写真や偲では花型の深みをあらわすことがでぎませんので、絵や写真を見て練習すると、どうしても薄つぺらな奥行のない形になりやすいのです。大体の楔準は、花型の横はばが50センチなれば奥行も50センチの深さを作るこんな程度に考えるのが普通であり、それ以上に前後の深い花型がよいとされています。奥行の浅い花型は平凡なものが多く、深いほど枝葉の重なりがあって、よい花が作れるものです。これは木の材料の場合も草花の場合も同意であります。2 前後深浅6 c. 菊は中間に高く1本,後方控に1本右前斜に留を1本中央に真1本を入れ左前斜に副1本入れる左前斜に胴を1本入れるA. B.

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