8月号
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町はぎ」ゆAソかいどうマ令。花器は自作の胡麻竹の筒で、下部七月の初旬、麗山寺にお参りに行く途中、梨木神社の萩が咲き始めてした多分私達が夏萩とよんでいる宮城野萩だろう。夏萩の早いものは旧暦の五月頃から花が咲くので五月雨萩そしてもつ一度咲くところから二度萩ともよばれている。いけ花で使われるのは、水揚げの悪い山萩ではなく、庭園で充分な栄養を与えられ、よく手入きれて細い枝がしなやかに垂れ下がる栽培品種で、山萩とくらべると水揚げも良好で姿も整っている。萩のよ、つな細くて分かれ枝の多い枝物花材は、花器の口に触れる小枝をとって挿し加える他の花材の邪魔にならないように枝作りする。そして花を沢山つけた主枝が柔かいカーブを描いて垂れ下がるようにいけた作例では目立ちにくい奮が見えるように横へ枝をのばし、白い鉄線を加えて小さなピンクの花色がひき立っとりあわせを選び、夏向きに清涼感をそえるのに桔梗を挿しそえていの窓の中にも花がいけられるよう工夫してみた。花器胡麻竹花入れ花材夏萩鉄線桔梗さみだみやE書れ一夏萩業〈表紙の花〉秋海業が中国から日本に渡来したのは寛永十八年(一六四一年)ということだが、一六八八年に刊行きれた「立り勺花かい時まよ勢う粧すがた」には早くも、秋海業材開一日と記されている。これを見ると、渡来後四十年で、出生を見定めた上でいけ花に使えるほどに栽培が普及していたのであろう。原産地の中国では主として楊子江以南の温暖な地帯に分布し宋時代以後の文人達の間で愛され、絵画や詩にもよくとりあげられているが、斎の花として、いけられることも多かった。秋海業科の植物は、葉が左右非対称形が多く、ベゴニア属では白や焦茶色の斑が入り観葉植物としてその特徴が生かきれている。作例は開花期以前の秋海業の葉を主材に、多彩なコスモスの花色をかきね合わせたいけ花である。水揚げのよくない秋海業は根の土を洗い落として葉の向きを考え乍ら挿し、余分な葉を切りとって形をととの、える。コスモスは茎が見えないぐらいにかたまらせ、濃淡それぞれの花色をはっきりさせるように挿して行く。花材秋海業コスモス花器淡茶色ガラス器秋海3

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