8月号
310/615

あやめ第三被郵便物認可桑原専慶流いけばなテキスト別号昭和白年8月l日発行(毎月I匝l日発行)桑原専底流家厄発行唐糸草は山草で、蒲は水草なので本来ならその境界に石を置いて、水陸を分けるのがきまりである。主株の蒲は九本、真、副、胴に各三本ずつ使っている。長きをきめるとき、下の方から分かれている葉はとりきり、茎によくそっている葉だけを残す。長くとった真で三枚、短い胴で二枚は残るはずである。真の茎をわずかに撰めておく。葉はねじれているので、よく見定めてから境めないと思っているのとぜんぜん違った方向に葉先が向く。蒲の留側には、水草の部類にはいる花菖蒲の葉を使っている。蒲の本数が多いので、葉組は四組とし、均衡をもたせている。唐糸草は、真、副、留の三体なのだが、分かれ枝が多いので、複雑な形に見、える。主株の方が行型なので下株の唐糸草は副流しとし、留には親葉を用いた。小牧は整理しすぎると、野草特有の自然味が失なわれるので、余分と思われる枝もつけたまま生け上げ、よく見きわめながらすかしていく。水盤は、できるだけ大きいものを使いたい。(蒲科)唐糸草(パラ科)花菖蒲の葉(菖蒲科)古信楽水盤花器化材蒲蒲唐糸草株分け定価五03円

元のページ  ../index.html#310

このブックを見る