8月号
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て1υま?っ。十円A門のように比較的水揚げのよいものであ初夏からは、香りの良い百合が、次々と咲きはじめる。五、六月には笹百合の清楚なかおり。七月の山百合、為朝百合は、花の大きさのように、部屋一杯大きくにおう。戸障子があけはなされていると、遠く離れた部屋まで、その香りが風にのってくる。香りに季節感をおぼえる花には、秋の菊。空の色と共に秋を感じる。金木犀もよくにおう。散歩道でどこからともなく香りがただよってくると、ついそのありかを探したくなっ冬、しめきられた部屋の中で、寒気と共に感じる水仙のひそかな香り、冬の終り頃、暗閣の中で、かすかに感じる夜の梅の優しい香りにも心をひかれる。いけ花の命の短い夏の聞は、少しでも花を長くもたせたいので、茎を短くいけるが、浮き花もその一方法である。れば、普から聞きはじめの問は普通の長さの投入れで観賞し、盛りを過ぎる直前に短く切って、浮き花にすると、そのあとかなりの回数美しさを失わない。私の家には、水抑制めが所々にあるが、盛りの過ぎかけた花を浮かべている。いけ花とはいえないが美しいものである。生花の睡蓮は浮き花といってもいいように思うが、ただ花を浮かせているだけのものではない。花にも少し高低をつけ、水盤の中で前後左右に浮き葉を配置し、平面的に美しい百合と蓄被暑さがきびしくなってくると、テキストに涼しさを感じさせるよう、淡白な色彩で、新鮮な緑をそえ、風通しのよいようにいける等というととを盛んに書いている。そんな花をいけたからといって、別に部屋の組度や梶度の高さ、不快指数が変る訳ではない。涼感のある花をいけておくというととは気休めにすぎないのだろうか。涼感というととについて興味のある記事が新聞にでていた。近畿大学の鈴木助教授の夏と不快指数に関するお話なのだが、一部引用させていただくと、ね。これは温度計と視度計の読みに、一定の数字を掛けたり比したりする数式で計算して出すものですが、その数式の値は、人間の額の皮膚祖度の上下に合わせるよう考えられたものです。ですから、逆に言えば、不快指数が両い時に額の皮膚調度は高くなっており、低い時には下がっているのです。の暑い日花、学生の額に温度計を取りつけて、つけ、その上にヤカンをかけ、温度も湿度もどんどん上げます。それはもうたまったものではありません。もちろん、額の温度は不快そのものです。そこで、かねて用意のテープレコーダーを回します。テープには、風鈴の音が吹き込んで不快指数ということばをど存知ですこんな実験をしたととがあります。夏部屋をしめ切り、ストーブに火をいけ花の涼感と夏不の快指数4

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