8月号
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古品え」おC@二重切筒の生花であるο江戸時代より明治へかけて盛んに使われた花器だが、乙の頃には竹器の花器、銅器の花器が多く、ことに竹器には切り方に工夫を加えて、一重切筒、二重切筒、三重切、五重切など意匠的なものが多く、竹器の種類が殊に多い。従って活け方花器によって花形に変化が多く、面白い工夫が見られる。写真の二重切筒には上段に「まさき」下段に「桔梗」を入れている。上段は左勝手副流しの花形、下段には桔梗の登り生を小さく入れている(右勝手)上段が七割の大きさ、下段は三割の分量で大小のバランスを考えてある。乙のまさきは一般に青柾木、黒柾木などといわれるが細い技がひきしまって生花の形づくりには適した材料である。上段の花形は真低く、副又は胴を長く量れ技に作って曲のある形に作りあげ、下段は中央の窓に小さく入れることもあり、また乙の作品の様に上方へ真副を登らせて上段の垂形に対しての均衡をとる。盛花の花材配合と同じ様に、上段下段の材料の配合を考え、色彩の調和を考える。淡泊な調子がよく、技巧本位で重くるしいのはよくない。⑧シラボシカユウ、紫キキョウ、カラジウムの葉三種を材料にして、分体花型の盛花をつくる。夏の花として清爽な感じの盛花である。長方型の水盤だが外部は白く内部の黒い陶器である。中央に水面を見せて緑の葉の多い涼し気な感じ盛花といえる。盛夏の花として清爽な感じが好ましく、材料取材には注意が必要である。雪柳の青葉姫百合椿の実っきキキョウキキョウ白菊。ヒマワリの大輪咲の花を6本、ガラス鉢に入れる。低く花を重ねて配列し、花器の内部まで落とし入れて、しこむ。緑の葉を二枚ほど見える様にしてアクセントをつける。乙の花は高く立てるよりも低くならべるのが形がよい。などかなり大きいガラス鉢でたっぷりとした盛花ガラスを透して見える様に挿である。洋間の花として調和がよいと思う。八月に入るとほとんど花が少なくなる。朝顔、むくげ、蓮、河骨、すいれんの様に夏の花があっても、永く保つものもなく、とにかく、新鮮な材料を切りとってすぐ活ける様な工夫が大切である。③ 二重切の生花キキョウ‘、4 匂向W伊

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