7月号
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R六月に入ると笹百合の季節である。ササユリにつづいてタメトモユリ、オニュリ、ウバユリ、カノコユリなど、山の野生の百合と栽培の百合が咲きつづいて、夏の自然を百合の花が彩ることになる。ササユリはその葉が笹葉に似ているのでこの名があるのだが、別にゆりともいわれる。ナナカマドの雅致のある枝振りのものを花器より左方へ斜体に入れ、胴、留の剖分にも枝をさし出して、中間の位懺に百合を高く挿してある。中間の下部にナナカマドの細い茎が右方へ出ているところ、工夫のある形である。R横にはばせまく細長い形の水盤である。このような花器には横ひろがりの花形を入れることになる。ナナカマド、紅色のアザミ、キキョウの紫、この三種の取合せで左右均斉の形を作った。背を低く横ひろがりに並列した花形。自然趣味の材料を選択して活けたが、こんな配合はこれから夏の花として好ましい趣味である。前方へ低くさし出た二つの枝、この小枝で下部の形に変化をみせている。... さR 4 @

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