7月号
65/579

ヒマワこの月は篭の花器が主題となっている。篭の花器というと常識的には風雅な感じ、落着いた趣味、そんな調子に思われやすいので、飛躍的なモダンな感覚とは一致しない様に考えられるのだが、このテキストの稲々ないけばなをごらんになると、篭にもいろいろあつて、いろいろな趣味の花が作れる、ということがおわかりになったことと息う。さて、このページは例月の様に、新しい感覚の作品を選抜して掲載することになるのだが、篭という先入感にとらわれないで、息い切ったいけばなというと中々むづかしい。とにかくここに2作を写真にしておみせすることにした。その花材の配合、色調、いけばなのスタイル、こんな点に注意して、その中に新鮮な感じのあるものにしたいと考えて作ってみた。この二つの傾向のものは、普通の瓶花とは少し感じが変つており、実用には遠いと思うが、こんな感じに持つて行くと、新しい感覚が生れるという参考になると思っ゜B A Rこれは魚篭である。高さ50センチほどの篭で、野趣の深い篭であるが、見かたをかえて背の高い円錐形の容器と思うと、段々と工夫がつくことになる。この円錐形の頂点に花を挿す。いけばなの花器としては新しい感じをうける。篭のあみめも―つの装飾の役目をして、おちついた安定の中に面白い感じが生れることになる。この花器に、普通なれば雪柳にききよう、といった調子を、ずんと離れて洋花を入れる。アンスリ—ムの葉1枚にリの黄褐色の花7本、色感も篭によく調和する。アンスリームの葉を前方へ長く挿し出し、前阿きに垂れさせる。ヒマワリの花をかためて、大葉の影に入れる。この辺の形のとり方に創作が生れてくる。形の作り方に新しい考案がある。2。ヘージに使った同じ電灯のシエードである花はアンスリームの葉2枚、グラジオラスは赤2本、ビンク2本ざみの様なものは、これは植物ではない。アテチョーク(西洋あざみの花に似せて作ってあるが、はけの材料の様なものを花の形に作った加工品で面白い感じがある。ラクダ色の毛がまるくあざみの様に作ってあり、これを5本使った。このあざみ状のものを左方に長短をつけて配列し、その奥まったところに、ピンクのグラジオラス1本が入っている。全体の形は普通の瓶花の調子に作つてあり、これには創作はないが、この作品は色彩に新しい工夫があり、加工材料を加えて、たっぷりとした皿芸かな感じの中に、新鮮な感触のある作品といえる。).. 、,3あ6⑧新しい感じのいけばな(創作のページ)

元のページ  ../index.html#65

このブックを見る