7月号
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ず咲き揃った大木の紫が見える。私はラパトの季節の立花としてジャカランダを使った。デモンストレーションでは、「いけばな」とは「花を活ける」ということの名詞化であり、それが日本では諸外国とやや違った方向に進化して現在に到っていることを説明した上で作例を見せ、又実際にどのような考えで一瓶の花がいけ上がって行くのかを話さなければならない。花を花器に挿してそれを飾るという生活の一面は、ある程度文化の進んだ国(古代からも)ではごく普通に見られる。だがそれに花を「活ける」という言葉をあては、つノ。、2言葉がある。それは単に花に形めている国は他にあるのだろうか。の墓に供、えられた花は古すぎるとフラワー−アレインジメントといを与えるという意味で活けるではなさそ、つである。活けるに対応する英語やフランス語があるのだろうか。もしあるとしても、急花に生会主どえるとい、ユ衣現になってしまうのではないのかと思、っ。いけばなは他に置きかえようのない苛保をもった名詞であり、その辺に日本人らしい植物への成長又性が見られるのではないのかと思しても、記録としては、水をたたえた容器に睡蓮の花が挿された有様が二千五百年前のエジプトの壁画にはじめて出てくる。中国でも宋時代の文人達は好んで書斎に古い銅器や陶器に花を挿し、色々な形態を記録しているがその後大した進展は見られない。日本では平ム女期以後室町時代に入ると争匂埠に花を活けることの意味が探求され、これほど多くの花の伝書を作った国民は他になさそうである。一つの文化としてしっかりした克を持ちたい。花が人の心と結びついた歴史は古い。ネアンデルタlル人① ⑦ 7 @ @ @ ①

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