7月号
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砂漠の蓄議〈表ュlムの結晶なのだそうである。早モロッコ王国は、地中海から大西洋への出口ジプラルタル海峡に面した北端のタンジェから南西に伸びている。その南西部が有名なサハラ砂漠である。モロッコは化石資源や鉱物資源の豊かな国土である。今回訪問した日本大使公邸のホlルのテーブルは鵬鵡貝の化石の入った石板だったがこれもモロッコ産だそ、つである。モロッコの首都ラパトには陶器作灼手主にした工芸村がある。そこには陶芸の他に木工、金工、革製品の売店もあって様々なものが並んでいる。中に鉢物の店があり、デモンストレーション用の観葉植物を買ったあと、ら奇妙な形の石があった。店の人に聞いてみると「砂漠の菩薮」というサハラ砂漠で時々見つかる硫酸カルシ速この石の色に合いそうな色の荒川械を選び、緑としてはサボテンに似た多肉植物のユlフォルピアをとり合わせた。花器は使わず小型の丸い容器に砂をまぶし中に入れた剣山に立てた。サハラの月夜かもしれない。花材砂漠の草川被(石)敷板花山岡山石他にも何かないかと見ていた蓄積二種ぉ、つむ紙の花〉ユlフォルピア(大雲閣)クスクス八使った小さな陶器はモロッコの土鍋のミニチュアである。茶色の方を見るとよくわかると思うが右側の円錐形の方が蓋でつまみがついている。その左側にタスクスの粒を積み上げたのが容器の本体で、実際には直径却価ほどのこの形の土鍋に名物料理のクスクスを盛りつけ、羊肉や野菜の煮込をかけて出したり、蒸焼料理に使ったりしている。作例に使ったミニチュアの土鍋、その後の花瓶もこの国の古都フエズのメディナ(昔の城壁丙の入りくんだ街区)で買った。モロッコは陶器の製造も盛んなようで、首都ラパトの近郊の陶芸村の他にもいくつかの産地がある。日本の陶磁器とくらべるとお粗末なものだが、実際にこんな器でモロツコ料理を御馳走になってみると、その粗雑さが稚拙に見え、そして素朴な味わいさえ感じるのは妙なものである。フェズのメディナで頂いたクスクス、そしてラバトからの二時間の間の車窓からの風長。向ひま日わ葵”と畑う、も玉ろ萄黍畑。だがタスクスはモロッコの人々の大切な食物である。素子はいい加減な使い方はできないと、上賀茂神社の立砂になぞら、えた。そんな想出にオンシジュlムをそえた盛花ができ上がった。花材オンシジュlム2頁の花V2

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