7月号
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私がいけ花を教え始めた頃、格北の鐘紡京都工場では黄素馨をよく使った。女子寄宿舎の新入生の稽古の始まる初夏には必ず黄素馨にお民部がそえられたり、有薬がとりあわされたりしていた。あまり沢山の数を指導させられたのでその後敬遠していたのだが、久しぶりに手にとったこの花の黄色は実に明るく鮮やかに感じられる。柔らかな若校は、花と葉の重みに携わんでいるのでその姿なりに見えるよう左右にのばし、その中心に紅有薬を前後に分けて二輪。その左のうしろにはピンクを一輪挿しそえたが花はあまり高くせず安定した形にしたい。花器辰砂紬花瓶黄素馨7古qYk4q 有薬黄素馨5

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