7月号
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花菖蒲瓶花基本型紫陽花羊歯(手付篭)真に花菖蒲、副と胴と控に紫陽花を挿し留と中間は軽く羊歯と花菖蒲の葉を配した。篭のいけ花でないならもう少し花菖蒲をふやして桔梗等をあしらってもいい。まず花菖浦からいけて行くが真直に立てたいので落しに適当な剣山をいれておく。左へっき出した紫陽花はあまり大きくない方がよい。篭の花は大体軽やかに挿すようにしているが、篭という軽い花器である以上当然の乙とである。竹篭が花探として用いられはじめたのは足利時代からだとされている。当時中国から輸入した唐物篭を用いて花をいけたのであろう。それが茶道の方で篭の花器がよく使われるようになると日本独自の発展を始めたが、唐物篭のような精巧なものより、身近な日用雑器、或いはそれを形どったようなものに美しさを感じ、桂川の鮎篭を模した「桂篭」、漁の道具に見立てて作られた「築(ゃな)」「魚箪(ぎよらん)」、川原の護岸に石をつめた蛇篭を小型にしたもの等数多くの篭の型式が考えて乙られた。そのように茶道の方で用いられることの多かった篭の花器は使い方に色んな約束事があるようだが、花道の方までそれに習う必要のないこともある。例えば敷板はお茶の方では用いないことになっているが、牡丹篭に牡丹の生花をいけたりした時には敷板はあった方が良いように思うし、近頃の竹芸家の作品には季節をかまわず使いたいものが多い。斜体副主型9

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