7月号
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⑧ フトイRフトイと黄花の百合を配合して青磁の花器に活ける。「オーゴンユリ」というのだが、スカシュリの園芸変稲らしい。フトイは数多くこの様にかためて入れるのがよい。自然らしくぱらばらと間隔をあけて立てる活け方は感じが古くよくない。強くかためて入れることである。あしらいの花は、水草でなくとも普通のどの草花でもよいが、スイレンをあしらったりする自然涸は平凡である。この写真にはフトイの左方と前と後方に黄花の百合を挿し、高く直立体の花形を作った。奥深くフトイを通して見る百合の花に清爽な慇じがある。黄金ユリc昨年の夏、北海道登別で買ってきたアケビの篭にササユリを活ける。だがなんとなく野趣があり、山木の緑の葉や山百合などよく調和する。小ぶりのこの篭には一種挿しがよく、花菖蒲や山菊の類一種、すすき、桔梗など自然種の素朴な花がよく調和すると思う。登別はわびしい湖畔の町だった。ひとすじ並びの土産物店がならぶ夜の町を少し歩くとすぐ草の道に出るような狐呆宿の町だったが、その中に一軒だけ大きい店があって、店の奥に座敷があって土地柄としては高級品のみやげもの、民芸品などが並べてあった。息子が同志社大学出身というので京都の話をいろいろするうちに、あけびの篭を六個買うことになったのだが、これはそのうちの一個というわけである。中筒は京都に帰ってから作らせたのだが、ざんぐりとして雅趣のある花器である。c ササユリ一種アケビの蔓で編んだこの篭は温和な形5 鴫

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