6月号
87/566

テッセンは洋名でクレマチスという。主として温帯地方に咲く植物で約百五十種の仲間があるといわれる。わが国でも自生の種類があり、江戸時代の古書にテッセン、カザグルマの挿花図を見ることができる。現在、私達の活けるものは外国種のもので、クレマチスという。c⑪ c紫花のテッセンとギボウシの葉の二種を、淡い椙色の壷に挿した。竹にからまったテッセンは竹つきのままに挿す。右勝手の応用花形(間主形)の形に入っている。白いくまどりのあるぎほうしの緑の葉、淡泊な取合せである。ぎほうしの葉は向い合せて挿すと形がよい。刃月に入るとにぎやかな花よりもさっぱりとした趣味の花、色も緑を主にして清楚にみえる色調の花を作りたいものである。⑪緑色のやや大ぶりの水盤、フトイ、キキョウ、ベニシダの三種を活けた。Rのテッセンの瓶花と同じように、花形としては応用花形の真・副・留・控などの花形に作った、少し堅い形といえる↓庭から切りとったばかりのシダの葉がみずみずしい。キキョウはフトイの後方まで入れて、フトイの細い線を通して見るキキョウが軽やかに感じられる。キキョウ、ヒメュリ、シダの配合もよく、キキョウ、コオニュリ、ルコユリの配合も色彩的に美しい。キキョウという花は一種では平凡な花だが、女郎花と取合わせ、雪柳と配合すると引き立つように、意外に用い方のむづかしい花といえる。5 “ ,;;, てっせんふといナぎぽうしの葉ききょうべにしだ

元のページ  ../index.html#87

このブックを見る