6月号
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ぽたんは牡丹色といわれるほど、その原種の花は紫紅色であるが、園芸品種には朱紅色、暗紅色、紫色、また外国品種には純黄色、赤黄混色の種類があって、数百種に及ぶといわれている。外国種のバラのように園芸の変種がつくられてゆくのだと思う。ぼたんは中国人の愛好する花である。日本の菊のように、欧米のバラのように、中国ではボタンは百花の工、しゃくやくは宰相の花といわれて賞美されているのだが、H本では平安朝時代にホウタン、又は富貴草ととなえて珍重されたことが文献にみられる。ぽたんは篭の花器に関和がよい。ぽたん篭という特殊な花器があるほど、篭花器に調和がよい。青磁色の花瓶、やきしめの壺など好ましい。c ⑨ ⑪白に赤い線のあるアマリリスの花、少しつぼみだがなんとなく若々しく新鮮な感じのする材料である。アマリリスの葉は花を包むようにして長短を考えて形よく組む。これには花の副材をつけずに「ぎぼうし」のふいり葉を添えて形を作った。アマリリスの葉もぎぽうしの葉も、その組み方で形が作れるのだから前向き後向き、ななめ、前の出と後方への控の葉など、使い方に注意がいる。花器は白地の磁器に藍絵の図案(てっせんの図)があり、夏向きの花器である。咲いた花を使わず、っぽみと葉のみで活けるのも―つの着想といえる3 ,.;,f'. ·.~ ぽたん紅白アマリリスぎほうしの葉c

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