6月号
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R「オオヤマレンゲ」はモクレンの種類である。この種属には「ホオの木」「コプシ」「シデコプシ」「ユリの木」「タイサンボクな」どがある。庭園、農湿などに柏栽される低木で高さ4.5メーター程度のものが多い。オオヤマレンゲの中に小輪花のものと大輪花のものと二種類ある。写真のものは大輪咲きのもので「ウケザキオオヤマレンゲ」という種類である。この花は一種挿しに小品に活けるのが感じがよいのだが、この写真の瓶花は花器ともに1メーター程度の高さである。オオヤマレンゲの白花と翡い緑の葉、あしらいに「姫百合」の朱色の花を2本添えた。一種挿しでよい花材だが、2秤にするとあしらいの花がむづかしい。日本種の花で品格のよい花でないと調和しない。配合をよく考えて選択する。座敷の床の間に小品花のオオヤマレンゲ一種、といった憾じが、この花のいちばん深い味わいを見ることができる。写真の瓶花は幹のはつきりと見える直線的な憾じの枝振りのもの3本、背高くのびやかに挿してある。花器は褐色の広花瓶の新しい感じの陶器を使った。A R B Rアマリリスのい花1本、花のない茎1本、アンスリームの広虻1枚、袢師のあじさい(ハイトランヂヤ)3本の盛花である。洋花3種をあつめて盛花を作ったが、この盛化には、さきにお話した「渋い袢花の味わい」がある。花のない花茎だけのものを挿し添えた考え方は、日本のいけばなの渋さといえるだろう。この1本の花茎をとり去った場合は、明る<モダンな盛花となるだろうし、この写冥ではいささか形式的な落秤きが感じられる。1本の花茎によって、この盛花の味わいが変る。花堺は黒いふちどりのあるガラス鉢で、剣山を人れて留めた。花附の巾へ布ぎれを人れその上に剣山をのせて、それに挿した。肖色のあじさい、白いアマリリス、アンスリムの緑の業は細く軽い茎の線がのびて、ひろやかな感じの盛花となつている。白、水色、緑に花器の黒い線、さつばりとした清楚な配色である。祥花の配合であるが、趣味は日本趣味、といった盛花である。2 .... □オオヤマレンゲヒメユリアマリリスアンスリームの葉アジサイ⑧

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