6月号
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五月に入ると、庭に庇恥骨慨に似た一重の赤い蕃被が咲き始める。二、三輪開いて暫らく咲かないのでもう終ったのかなと思っているといつの間にか又奮がふくらんでという状態が秋まで続く。庚申蕃磁の原産地は中国だが、日本にも北海道から沖縄まで日余種の蓄破属の花が野生している。小さな白い花の野茨は日本列島全体に分布しているが野生種の中で花の美しいものとして攻魂(浜梨)がよく知られているが、花径4i5ででピンクの花が咲く対高齢静砂、富士、箱根で咲く叫桃酌静の花は淡いピンクで花径は6でぐらいで、いずれも初夏の花である。現在私達が買い求める蕃蔽は原種に程遠く、季節を求めることは出来ないが、日本での蕃磁の季節は初夏なのかもしれない。歳時記にも一応六月の花とされているし、先代も「温室の少なかった頃、番一微はやはり初夏の花だったな」と云っていた。蕃蔽とくらべて百合の季節は決まっていて、五月も半ばを過ぎると笹百合や竹島百合、その後為朝百合が祇園祭り頃まで続く。一年中見られる鉄砲百合も初夏が最も美しいようにさ、え見える。但し最近オランダから輸入されている百合の多くは無国籍的で、悪くばらゆり蕃薮と百合4

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