6月号
246/566

子花しばなせいようさんざ古清水香櫨ヨーロッパで山査子は五月を代表する花木の一つになっている。イギリスではホlソlンとよばれ、とげがあるので生け垣によく使われているそうである。乙の作例に使ったのは西洋山査子で花の色は濃いピンクで小さな花がかたまって咲く。一つ一つの花はよく見るとパラを小さくしたようでとてもかわいい。日本の山査子は中国から江戸時代中期に薬用として渡米したもので、花の色は白である。いけ花には早春黄緑色の小葉がつきはじめた凶と、晩秋真赤に色付いた実の頃使われる。白い花をつけた頃の枝は大して美しくないのでいけられていない。花の咲いたときに使うのは西洋山査子の方で、作例のは八竜咲きの赦花西洋山査子とよばれているものである。色は美しい花材だが生花にするには枝ぷりの変化が之しく、花も附集しすぎているが、その持味をそこなわないように捷めたり枝をすかしたりしなければならない。乙の生花も大分すかしたのだが、胴から総固にかけてまだ花や葉が多すぎるようである。花器は買ってから永い間使わずにいた古い清水焼の香炉である。壊だらけで真黒だったのを洗ってみると案外よさそうなので乙れから時々使ってみようと思っている。者~8 山三査ざ

元のページ  ../index.html#246

このブックを見る