5月号
96/575

(アイリス、澁紫)(かきつばた花器ふくべ)日本のあやめ科にはかきつばた、はなしょうぶ、いちはつ、あやめ、しゃがなど、種類が多い。外国種ではアイリス又はイリスという。イリスは仏語でアイリスは英語である。外国種のアイリスにも園芸利に沢山の種別があって、日本のハナショウプに園芸変種が何百種とあるように秤類が多く、また野生秤、園芸種と区別が多い。日本のかきつばたは古い伝説の中の花であって、能の「杜若」のように、或は和歌によまれ物語の題材に使われている花である。外国でも昔から「虹の精」の花、また美しい尼僧などにたとえて物語の中の花として有名である。ここに掲載したアイリスの小品瓶花とかきつばたの軽やかな盛花、同じあやめ科の花でも、外国種と日本種を二つならべてみると、それぞれの感覚が迩って面白い。しずかなかきつばたは瓢の花器によく調和しており、明るいアイリスには淡紫色の変形の花器が花の個性を活かしていると思う。日本のイリス外国のイリスIRIS 12

元のページ  ../index.html#96

このブックを見る