5月号
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③この部屋の窓には新鮮な緑のプラクナスの樹が戊ってみえ、明るい朝の光りがさしこむ食棠である。小さい部屋だけれど家族数と比絞して、これで充分なのであろう。墜而にステレオのスビーカーが据えられており、その上にプロンズ像が飾られている。窓ぎわの食卓に盛花を飾る。白い陶器の鉢にバラ2種、ビンクと紅色の花5本、背の低い盛花を作る。窓からの光りがバラの花、緑の業を浮き立たしている。④下の写真は廊下にある小さい棚。平索は受話器が四いてある。ここへ小品の瓶花を飾った。オランダ陶器の扁壷(へんこ)はこんな場所に適した花器であろう。白色の陶器に藍の絵付のある花瓶゜チューリッ。フの紅色を2本、軽く挿して渦和を作った。こんな場所に電苦しい花はいけない。淡白で明るい花がよい。玄関を入ってきた人がふと見つめて好感のもてるような気どりのない花。それがその場所を一阿引きたてることにもなる。花器と花をよく選びたい。③ ⑤ ④ ⑤応接間である。苦斎と―つになっている。六帖ほどの小さい部屋で二階の一部である。通りからは奥まっているので静かな落約がある。掲色調の洪い好みの装飾が一層心の安らぎを与えてくれる。民芸調の桜材のテーブルにガラス器をのせ、花はスイートサルタンの淡黄とユーカリの白線の葉を添える。机の向うに座った人の顔の見える程度に、花は軽く活けるのがよい。この町は京都の中心でビジネス街である。表通りは自動車の交通がはげしく子供の遊び場がないので、表入口の柚に砂場を作ってある。また、この家には和生がない。仝部洋間であるのも現代調といえるだろう。簡素な住宅で趣味の装飾をした家として、京都の住宅としては珍らしい。写真のように全部の部届に花を活けることはないが、参考として見て欲しい。8

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