5月号
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ルrし,JR朱色のボケにかきつばたの紫、葉の緑、花器は黒掲色の広口花瓶゜これも調和のよい花である。ボケの枝を前方に傾け、その後方にかきつばたを直立させた。前へ傾いているが)ボケの枝の線とかきつばたの重なりが清楚であり、技巧的にも美しく浮き立って見える花である。ボケはまばらな枝が奔放にひろがり紅色の花と小さい緑の葉があって春の花らしい豊かさを感じる花である。(白つばき、なたね、テッボウ(少しユリなどと調和がよい)ボケは白花か紅花の種類がはっきりして美しくみえる。淡紅のボケは(三月に多い種類)なんとなく、色がはっきりせず引き立たない。また枝に変化のある材料であるから、変化のある枝線のものを選んで、その霊なりや交叉の中に、面白い形をみつけるようにする。美しく揃っているようなのは感心しない。ボケの花は枝先につくことが少ないが、なるべく花の枝先にあるものを選んで活けるようにしたい。四月“り/、人中旬には緑の葉がひろがって美しいが、これも葉が大きくなると見苦しく、水揚けもよくない。柳と同様「ひろごりたるは見苦し」である。R紅のおとめつばき、かきつばたの二種盛花である。花器はRの写真と同じ掲色花瓶゜つばきの枝は古い木のさびた枝振りの材料で、葉もまばらに枝幹がすけてみえ、なんとなく風雅な味わいがある。これにかきつばたの前線の葉、色彩的には美しいが、この写真‘.o では複雑にみえて感じがわかりにくかきつばたは一種挿しにするのもよいし、副材に草花をつけるのも軽やかな愁じがあってよい(例えば淡紫の野菊をつける。姫百合をつける。ばいもをつけるなど)また、木ものの副材として使うのも引き立つ活け方といえる(例えば、シャクナゲかきつばた、ヤマナシかきつばた、青楓カキツバタの様に)水盤にはもちろん適しており、また壷にも篭の花器にも調和のよい材料で、応用範囲の広い材料といえる。かきつばたの葉は生花の場合は自然の葉を一枚ずつ離して、さらに組みかえするのだが、瓶花盛花の場合は自然のままで挿す。技巧を加えないでそのまま抑すのが普通であるがほとんど仕上った後、ものたりない部分を一枚菜を加えて修正する。なるべく目然風にみえるのがよい。椿の大きい枝は写真うつりの悪い材料で、花の色が出ないので、感じが全然わからないのが残念である。4 / @ R

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