5月号
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花フジさんには、いつも奇妙なものがおかれている。この枯れ蔓は「ブルl・スカイ」とかいう朝顔で、去年の夏せっかく仕入れたのに咲かなかったらしい。そこで今年は咲くかもしれないととっておいたそうである。大きめの植木鉢にグリーンの支柱を立てて、それに蔓がからんでいた。持って帰って丁寧にその支柱をはずして紅珊瑚の枝にとりかえた。そして花曜会でいけてみた。自分では気に入ってるのだが奇妙な盛花ではある。こんな枯受には淡色の花ではよくなさそうなので濃赤色のガーベラ二色を選んだ。問題は枯蔓をどうすれば、その形を崩さずに花器に移せるかということで、それさえ考えつけば、あとは簡単なことなのである。ふり返ってみると、私は花をいけるのが心から楽しかった。だから多分私の花には+苦労の跡がないと思つ。この朝顔の枯れ草にしても、葉が繁って生きているものなら大して興味は示さなかっただろう。柴がなくなるとこんな感じになるのかと::花材朝顔枯斐ガーベラ紅珊瑚ミリオクラダス花器濃紺色粕深鉢変なもの仙驚3 。

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