5月号
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R淡紅のバラ3本、クリスマスローズ3本、姫カン、ノウの葉、この三種の盛花。クリスマスローズはうす緑の草花で、二月より4月まで露地に咲く。厳冬に咲く草花はまことに珍らしいが、降雪の日に雪をかぶつて咲くこの緑の草花は気品もあり、迎春の感じの深い花といえる。洋花の中でも日本的なしずかな梢趣があるので、茶席の花としてよく使われている。お茶花としては「節分草」と名づけ.. て用いられている様だが、これはおかしい。その気持ちはわかるがクリスマスローズとして用いた方がよいと思う。クリスマスに咲くバラ、という意味の名であるが、この花の咲く北欧のクリスマスは、本来は2月ごろだといわれる。写真の盛花は花形としては留主型の形に活けてあるが、ガラス器にたっぷりとした緑の築と細いかんぞうの若築が美しい。渋い色彩の盛花。⑲クリスマスローズにさぽてんの二利瓶花である。紅色の大輪さぼてんの花、緑白のクリスマスローズの配色が美しい。形としては温和な形だが色彩的に美しい瓶花である。これは3月中旬に活けた花で、新しい感じの花器に濶和して明るい必党の瓶化といえよう。さぼてんは柔らかく垂れるので垂体の花型に、花器も高い広口花荊を選んだ。花型で、これは留主型である。垂れRの盛花も、⑪の瓶花も同じ様なた形の索材はその形のままに花器より垂れさせて活ける。自然のもつ形が引き立つように、無理をしないで行くままにさせて形をまとめあげる。それが花材を活かすことになる。4 @ R クリスマスローズ(留主型)

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