5月号
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小品花方々のいけばな展に出品されている「小品花」を見ていると、様々な傾向がある。完成度の低いものは論外としても、現在いけばなそのものの考え万や械式が多様化しているので、小品花とはこ、2めるべきだときめつけるのが難しくなってきている。ラである。小品花をいけばなの一型式であると云うためには、その花の出生の姿が少しでも思い浮かべられるものであってほしい。私の望んでいることは形は小さくても、しっかりしたいけばなである。リュlムの葉の色のようないい色相少量の一種類か二種類の花を主題にして、大作や巾作では見られなかったその花の意外な一面を見せたい。そこで何かを合わせなければ強調できない。その何かに紙や木や石、或は金属を細工してとり合わせようとしている聞に、そっちの方が強くなって、それにかかった手間ばかりが目立って意図した筈の花の姿がかすんでしまったりす’る。今月号では小品花をとり上げてみたが、できるだけ初歩的な作例にとどめて皆さんの小品花の参44Jになるようにしてみた。この辺から出発して自分の発相、γ乞育てて行ってほしい。ていたのだろ、っ。小さくても花のみずみずしい生命が生きていればよいのである。黄ばんだ葉深緑、黄緑、白斑入り、緑の色も〈叩頁の花V様々な上に、大きさが1m近い葉、い葉、そして切れこみのある葉。里芋科の観葉植物は種類が多く、いけばなに欠かせない花材である。作例に使ったのは枯れはじめたアンスリュlムの葉と新しいクツカパアンスリュlムやモンステラの葉はいけてから問・冗日たつと緑が槌色しはじめて一部分が黄ばんでくる。その時期はいい色とは一五えないが、更に日がたつと全体が作例のアンスに黄変する。その黄変した葉に切りたての生き生きした濃い緑のクッカパラの葉をそえてみると、その二色の対照が興味深く眺められるよ、つになる。この二色の緑の対比の印象を強めるのに赤い蓄蔽をとり合わせた。この需械は問十年ほど北川、その頃高島屋で毎年「蓄薮展」をやっていた。そこではじめて見たのだが、重咲きのこんな美しい蕃蔽もあったのかと名前も覚えていた。当時花のことはあまり知らなかったが、氷川被のことはよほど強く印象に残っ一日見た途端に「パーマネントウェーブ」とい、フ名前を思い出した。苔被の閑芸品種は何万種あるのか知らない。私達の見る革問殺はその何行分の.ぐらいのものだろう。その5mほどのかわいい葉、丸い柴、長ばらこの10

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