5月号
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苔のよくのった枝物は折れやすいので、きまった場所からそれぞれの役枝を振り出すのに苦労する。このいけ花展でのいけこみはすべて会場で行われることにきめられているので、枝取りの相談には乗ったものの、この枝をここか詰め切れば留に使えるのではないかぐらいの助言しかできない。実際にいけはじめてみなければ枝の添い具合もわからないのである。幸い月本君は戚泣見の良い人だったので期待通りの生花にいけ上がった。自分で選んだ花器で桜の色もひき立ったし、扱い難い苔桜の枝先まで丁寧に捌かれている佳品だと云える。京都府華道選抜展出品作花材里桜花器碧彩方形深鉢花型草型留流し大賞受賞桜生花7

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