5月号
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随分多くのいけばな展が開催される。展買会にもいろいろの性格があるが、一流派のいけばな展(流展)について考えてみる。なぜ、流派団体の展覧会をやるのか、また、やらねばならんのかについては、いろいろ疑問もあることと思う。先ず、日頃習つている自分の流派のいけばなを、綜合して見る機会であり、それによって自分のいけばなに対する考え方を反省する機会にもなるだろうし、今後の進み方についてのお手本を、多くの展示作品の中から学びとることになる。出品者は自分の努力作を多くの人に見てもらつて批判をうける機会でもあり、他の出品と対比して研究する機会をつかむことでもある。花器と花材の選択については、ことに多くの教示をうけるだろう。流展はこの流脈のいけばなを習う人達の中の選はれた代表者であると共に、よい作品を出品せねばならぬ責任者でもある。その他の多くの流肉の教授門人の人達は、これらの代表選手を全力をあげて後援する義務がある。今後はそのつもりでやって欲しい。このたびの展覧会は予期以上の成功をおさめたが、これは出品者だけの喜びではなくて、桑原専慶流にあるすべての人の喜びとして欲しい。また、ひろく社会酌にはこの美しい催しを、一般に公開して文化運動の一っとして意義をもたせたい。(専渓)桑原専渓作(立花様式の作品)展覧会出品大作の一っ°材料は松、杉、椿、あせび等の古木、根幹など各種、杉の緑葉、やぶつばき等で作り上げた、高さ2メーター、横5メーター余の大作品です。立花の基礎のぽく組みだけでとどめ、木の変化と組み合せの面白さを見ようとしたもの。つばきの緑と朱色の花で配色をとつています。花器は石膏で作り色調は濃いグレー仕上。流展R

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