5月号
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アマリリス黒海芋の葉花器濃紺深鉢十二月から出はじめるオレンジ色がかった色の冴えないアマリリスも四月になると鮮かな赤や白の良い品種に変ってくる。時々科古にも使っているが他の花との色うつりもよい。大輪の強い濃紅色のアマリリスに浅い緑と自の軽やかに風になびくような縞蒲をとりあわせてみると、爽やかな五月の空気の肌ざわりの感じられるいけ花になった。花器に濃紺の深鉢をえらぶとその感じが一一層強くなる。水際は黒海芋の大きな葉でおさえ、縞蒲の軽い曲線を自由な方向にふり出せるようにしている。いけ花には多量に緑の葉を必要とするが花屋で葉物として売られているものの種類は随分多いようである。古くから立花によく使われたし著ゃ義がぴ、わ枇杷、柏、かしわ葉ばら岡んし、だ羊歯等は葉だけをあしらいとして、或いは構成の一部として用いられてきた。葉の美しさが花に劣らないことは古来日本のいけ花では強調され、葉闘の生花はその好例であろう。現代の盛花や投入ではそれがもっと多様化し使われる葉物の糖類は数えきれないほどである。その代表的な一群は熱帯性の観葉植物である。その中で最もよく使われるのは里芋科の広葉類であろう。なじみ深いものとしてまずあげる乙とのできるモンステラだといえる。一年中どとの花屋でも手に入れられるが大葉、中葉、小葉と大きさを違えて注文する。モンステミ芯葉縞主蒲210

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