5月号
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.V古伊万里の大鉢を縁側に置いて花をざんぐりと入れた。緑が広いので通路の邪魔にはならない。花溜の形式をとり入れて、いけばならしくない様にのんびりと挿した、剣山を沈めて葉.てかくしてある。花材はラッパ水仙、薄べにつばき、ばいもの三種.てある。庭に水を打ってすがすがしい感じである。花器は伝統の香りのある手桶、水盤の類がよく、この花器の様に藍絵の古風な図案がごんな場所、こんな形式に調和がよい。とにかく、あまりわざとらしくなく、品格のよい意匠花3 .てありたいものである。庭に面した広縁に花溜の花を3 (1、2 ヽ4の写真は桑原富春軒の庭)玄関の入口に「なまこの支那鉢」が置いてある。青竹をわたして満々とみなぎった清りかな水が豊かである。雨の日なので水面が波立っている。白百合が二本挿してある。庭の樹の緑や、袖垣の褐色の中にくっきり白い百合の花が、浮き出す様に見えて、清りかな美しさである。高さ八十センチ程もある大きい壺なので、花は挿しにくい。この支那鉢の中へ更に筒形の花器を沈め、それに凡4-[挿して留めた。笹百合、花菖蒲、菊の類、つばき等の落着のある花がよく調和する。写真の様に花を長く挿さず、水面に浮く様にして、いわゆる浮き花風に装飾するのも美しいだろう。ぼたんの花の開花を水面すれすれに安定して挿す。蓮の花と浮葉、青楓に桔梗など屯風雅な意匠を感じられるであろう。前庭の入口、塀にそうてこんな水溜が作ってある。底から水が涌き上って、やがてあふれた水は砂を通して流れて行く。まっ黒な井筒の中へ白いヵュウの花を挿して、庭のいけばなを作った。まっ白な花、緑の茎、深い水の中からぬき出.てて、さわやかに美しい図案を作っている。砂は濃い青を交えた蛇文石て調和がよい。この用水には時々、花を挿しているが、桜の花弁を_ぱい浮かせたのも美しかっ庭の塀ぎわに作った水溜に花を4 たし、また、裏庭の秋田ふきの緑の葉を二枚ばかり浮かせたのも、中々すがすがしくよく調和したe私の家の小さい庭の中でも最も装飾の用途をする溜池てある。今日は雨の日、傘をさしながらごの写真のために花を挿したが、雨の滴のたびに小さくゆれるカユウの花が、うまく写真になるかしらと思いながらジヤッターを切った。すいれんの花、秋のすすき、寒菊の紅葉、いづれもよく調和する美しい水である。R _. " ~·---------, 、.'," ' '; -こ_,_-、ごゞー・・-呵晶ふ玄関入口の壺に花を,'、''... ,. Nn2 2. 駆曇-T1t~ — ... tYtfJlll→

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