4月号
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春の花木の季節が終ると草花のシーズンに入ることになる。温室咲きの草花は一月、二月の冬でも、豊かな春の花をみることが出来るのだが、ほんとは四月下旬から自然咲きの春の草花がシーズンを迎えることになるのである。花木から草花ヘのうつり変りの季節である。四月下旬から五月、六月へかけて露地の草花の秤類も多いし、芦の若葉、かきつばた、すいれん、こうほね、ふといなど、水辺の草花の類も咲きはじめ、晩春初夏の帖紹をかざる。この月号のテキストには「短い春の草花」といったところにヒントをあてて、盛花瓶花を作ったのだが、三月中旬の写真なので一カ月後の今日では材料にもいさo. さかずれがあり、ぴったりとしない点もあるのだが、折りからの多忙な季節に入ったため編集も思うにまかせず遅延したことをお詫びしたい。1ページの写真は(チューリップ・つくばね)の二種を黄土色の長円型水盤に活けた盛花である。チューリップの淡紅色の花、緑の葉、つくばねの白花、この二種の盛花は、チューリッ。フを高く横に並列させ下部に低くつくばねを左右にさし出した形が特徴をもっている。「並列花型」の花形である。つくばねは日本柾の山木だが、洋種のものもあって名前も洋名日本名いろいろいわれるが、一般的にはつくばねでよい。細い木の枝線の特徴をひきたつように入れる。桑原専渓草花の春毎月1回発行チューリップ・つくばね桑原専慶流編集発行京都市中京区六角通烏丸西入桑原専慶流家元、1974年4月発行_,__ ' No. 130 いけばな≫ . . 必

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