4月号
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⑪次に副の枝を作ります。真と同じように、よく枝を見立てて枝をとりはらいかさ低い枝つきのものを1本又は2本まとめて、作っておきます。入れる前に枝の形を作っておくことが大切な技巧ですが、これを「枝ごしらえ」といいます。花器に立ててから枝を形よく作ろうとする考え方はよくありません。花器に立てたら小部分だけ軽くなおす程度にします。入れやすい形そのものを「枝ごしらえ」しておくわけです。⑪の写真は副を入れた状態です。真の足もとと密将させて、きっちりとした仕事をしておきます。その次は胴です。この辺から「枝ご(横くばり仮どめする)しらえ」を、きっちりと細い枝をよせあわせ、しまりのある形を作ります。胴は真と副の前方に枝を入れ、前方又は少し左方へはり出す様に形を作ります。写真のように細い枝を三本ほど寄せ合わせ、足もとをためなおし、足もとの掃除を美しくして、大体の寸法をきめます。R出来土った胴を加えます。まず長い真の枝を花器より抜き、入っている副の前方へ胴を入れます(写真抜いて胴から入れるのは足元の揃いをよくするためです。その後、真をもう一度入れることになります。これで真副胴が入りました。F)、真を⑪ R 汀戸時代から明治期へかけては、いけばなといえば生花、というように考えられていて、花器も生花用の花器が種類多くあり、銅器の花器が多かったのです。もちろんその花器は視在にまで仏わっていますが、やはり古い時代のものは今日の感覚に調和しません。今日の牛花は、それが伝統花であつても、今日の花としてのもち味でなくてはならないのは当然のことです。また、花の材料も変つてきていますし、洋花を生花に活けるなど、生花の慇党そのものが変つてきています。もちろん花形や技術にも変化があり、当然それに調和する花為を選択することになります。伝統的な竹器の他に、陶器金属器のうちで新しい形で、生化によく凋和する花器をはばひろく使うようにしたいものです。R R ,

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