4月号
81/551

ーズ。ハンジ—、日本の草花にはこ山の~筋を息い起すのです。「詩のある花」「麦がのび、見わたす限りの平野に黄いろい菜の花の毛匪が柔らかな軟風に薫り初めるころ、まだ見ぬ幸をもとむるためにうらわかい町の娘の一群は笈に身をやつし、あわれな巡礼の姿となつて、初めて西国三十三番の札所を旅して歩く」秋の「生いたち」の中の一節である。春は華やかな薫りの中にもののあわれがあり、しつとりとしたしずけさがある。しずかな花を小さい花瓶に入れるそのやさしさ、これが春の雅趣というものであろう。黒百合、なるこゆり、しらん、都忘れ、クリスマスロとにその情紀が深いし、袢花の華やかさの中にも小さいガラス絵のような清澄な色彩がある。。北原白みなさん、小品花を活けてごらんなさい。しずかにみつめて、深くみつめられるような味わいある小品化、それには美しきものを理解する心の用意と、それを作る技術、これが必要です。花器と花材についての選択、これも必要条件です。よく考えて、活けるときは手早く、さつと活けるようにします。R クリスマスローズR のある花であることが望ましいと息います。閑雅な趣味の小品化も、明るい花の美しさも、小さくてしかも私逹の心をとめるようないけばなは、それが小品の化であろうとも、一、二本の数少ない花であろうとも、人きいいけばなに較べて劣らないほどのカをもつことになります。ことに山草野#の類を、たけ知かく挿したような小品のいけばなには、しずかに咲くその花の渓流の畔や山嶺の草原に詩趣を通わせることになります。そしてやがてくる及という名築があります。いけばなは形や色彩のみではなく、さらにそれを超えて、うるおいのある花、情紹7 、.⑪ 黒百合ベニ、ンダパンヂー

元のページ  ../index.html#81

このブックを見る