4月号
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Rューカリはユーカリ樹といつて、オーストラリヤ原産の常緑喬木である。大きいものは一00メーターにも達する巨木があるといわれている。建築材や船舶材に使われる木で、築からはユーカリ油をとり、石鹸材料や薬品材料とする。戦後にみる様になったいけばな材料だが、葉に臭気があり形はよいのだが、も一っ、という材料である。最近、練習用の花材として使われることが多くなったが、これによく似た材料のアカシャのほうが香りもよく花も美しく好ましい。普通は洋花と調和のよい材料だがこれを桃に取り^1せて瓶化を作ってみた。ユーカリの特徴は、葉の四方にひろがった形にあり、軽やかな枝のひろがりの形は、なんとなく異国趣味のある木といえる。④の写真は桃の直立した枝にユーカリの枝葉のひろがりの形をそえて、瓶花としては而白い花形となったが、日本的な趣味の桃と外国趣味のユーカリとが案外よく和している。桃の枝先が写真には長く見えるので、上方を切ったが、実際はそれほどに感じられない。ーカリ、水仙、シモッケの三種配合の瓶花である。シモッケは一メーター程度の高さのかんぽくで、初夏の頃に禍色の小さい花が咲く。⑧ユ外国種のものもあつてシモッケの種類はかなり多い。夏の頃、かのこそうというのがあるが、これと同種系統の花である。まっ白い壷に、ユーカリの四方にひろがった枝を立て、その前方へ掲色のシモッケを二本、ずっと前斜めに出して、右後方に深く水仙を二本立てた。少し渋い配色だが、ユーカリの白緑、掲色のシモッケ、白花の配合が変つている。上方に傘水仙のの様な形のユーカリの形も変つているし、水仙の直線との組み合せに特徴のある瓶花といえる。さきに書いたようにユーカリは香りのよくない木だが、形が而白いので枝振りをよく選ぶと、変化のある瓶花盛花が作れると思う。この壷には剣山を入れてそれに留めた。すべて丸い形の口の広い壷には剣山を入れて留めると活ワやすい。R 8 ....

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