4月号
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,~Jつりか床の間の壁の中央にある胴釘に花器をかけ、かけ花を活ける。これを向うがけと云う。壁かけのいけばなは外国でも盛んに使われている。向うがけのいけばなは日本式の壁かけの花の事である。床の間に胴釘(かけ軸の後方にあたる場所)の打ってあるのは茶席その他の小間に多く、普通の床の間には胴釘は打ってない。向うがけのいけばなは壁掛の花てあるから床の間に限らず、部屋の中の調和のよい場床の間の上座の天井に蛭釘(ひるくぎ)と云って釣花器の釘がある。それへ花器をかけて釣花を活ける。花器は陶器、金属器、竹器、籍など種々あるが、釣る花器であるから軽い感じのものがよく中でも籠花器が最もよいと思っ。釣花器の活けにくいのは花器が動くことで、左右に振るよりも廻ることが多く、何時しか正面が横に廻ってしまう。活ける前に籾山を入れて重味をかけ廻るだけ廻らしてやがて花器が安定して停止したところを正向うがけ(壁掛)所を考えて釘を打ち利用することが出来る。壁面の中央がうつりよく、左右正面から見る場所が適当てある。籍などの中で落着のあるものを選ぶが、洋風の壁掛となると明るい感じ風陶器の類、創作的な新しい形のもの、ガラス器のかけ花器など応用がひろい。従って花材も場所と花器に調和する様に、しづかな和趣味の花さびた自然趣味の花、或は明るい場所と花器には、ダリア、カーネージョソ、カラジュiム、アスパラカスの様な軽やかに美しい洋花を活けて面にして活ける。随って正面、裏のい訳である。面が見られる花器がよい訳である。れにも注意が要る。(金属くさり、竹の手、藤づるなど)あり、それを花型の中にとり入れて活けることとなる。釣手もいけ花の中にある枝やツルの様に考えて花型を組むことが大切である。花型の中へ入って来る線であるから花型は花型、釣手は釣手と別々に考えられな花器は床の間の場合は竹器、陶器の花器も用いられる。色調の強い洋はっきり区別のある花器は活けにく丸型又は三角型の様な何れにも正風を受けても花器が廻るから、こつり花器には三方四方に釣り手がもよく調和する。向うがけとは日本厘な床の間のかけ花を云い、壁掛の花とは明るい洋風好みのかけ花のことである。写真の花は床の間の向うかけの花である。荒目の白竹籍に花は青麦とうす紅の菊の二種である。このかけ花は茶席の花てはなく普通の日本趣味の配合であって、季節感には少し外れているが、静かな中に美しい趣味の花てある。和室かけ花の材料は淡伯な感じの花がよく分量も少し軽やかに活ける。洋室の壁掛の花は明る<派手やかに活けてもよい。い訳である。活けるときは花器を釣って活けるのだが、なるべく手伝の人が動かない様に持っているか、又は動かぬ工夫をしてなるべく手早く活けるごと.てある。写真はつりかごの花器に「れんぎようとチューリップ」を活けた作品。かけ花と同じ様になるべく軽やがな感じの材料を選ん.て活けることが大切である。こでまり、やまぶき、の様な垂れもの、また反対に牡丹、大輪菊の様なつんぐりした形の花を短かく一種挿にするのもよい調和となる。スプレンゲリーにカーネージョンの様な洋花もよく調和する。向ム⑧ つりかチューリップ・レンギヨウギ・キクうがけ.,.,,

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