4月号
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晶、色町ひcと栃ち今のき年も木五仙月に、ドイツ北東部のメクレンブルク州にあるテテロウ市を訪れることになっている。市のメインイベントである「カマス祭り」にあわせて、ト巾げ合の一室でいけばな展をするのだ。そもそもテテロウ市との繋がりは、郊外にある本文化を紹介する館があり、熱心な地元の方達との交流が五年前から続いていることによる。素朴ではあるが心のこもったおもてなしを受け、私達は日本のいけばなや食文化を紹介してきた。我々の心を繋ぐ象徴が「シュロスミツコ」なのだ。そして私達が訪れる五月には、マロニエ並木に白い花が咲いている、だろう。白い塔のようなマロニエの花房が木全体を覆うと、まるで白い山のように見える。そして大きく広がる葉は気持ちの良い木陰をつくり、胤は麦畑の上を優しくなでて爽やかな初夏の寄りを同けてくれるだろう。ドイツではマロニエの花を投入にしたが、日本には栃の木がある。珍しく栃の木の芽だしが売られていたので、背紫色の鉄線と薄紅色の撫子をとり合わせて淡青色の花瓶に投入にした。栃の木はマロニエ(西洋栃の木)と同じ栃の木科・栃の木属の落#主両木で北海道から九州の山地の沢筋などに生育する。栗に似た種子は灰汁抜きをして餅米を加えて蒸すと栃餅になる。順之助の小学三年の教科書には「モチモチの木」というお話があり栃の木の巨木が登場する。実から餅をつくるからモチモチの木なのだ。ここ数日、宿題として音読を聞かされているが、主人公の少年が夜に見る栃の木に怯えるところがおもしろい。新芽を護る薄皮は飴色でねばねばとしている。雪や雨から芽を護るためだろうが、取ろうとすると手にもちもちとくっつく。いけた後で掌状の幼い葉がひろがってきた。トlデンドルフ村に「シュロスミツコ」というHル』9勺’hU9勺渓6

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