4月号
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えんじ色色は仙、メキシコ原産のサボテンに寄辞書で膜脂色の項をひくと、この生する貝殻虫の雌をすり潰して作った染料で、黒みを帯びた赤色と書かれている。だが実際にどんな赤が牒脂色なのか言葉の説明だけではわからない。色の々笠間に関する本も沢山出版されているが、そこに表示されている牒脂色の色見本は一冊ごとに少しずつずれている。おそらく著者一人一人が、これが牒脂色と感じ、そう思いこんでいる色がちがっているのだろ、っ。どんな赤が本当の膜脂色なのか、言葉では説明できないが、花の中には濃く深い赤に咲くものがある。花の色素の中に多奇黒は含まれていないと思う。作例に使ったカーネーションも肺贈色だと云っていい色だろう。ただ厄介なことに肉眼で見る花色も、写真に撮るとライトの当たり具合で少しずれ、印刷で又少し変わるかもしれないが、いい色のカーネーションだった。色のとり合わせは緑が濃いピンクのカーネーションと赤黒い地に淡赤色の縞目のクロトンを使った。赤系の花色が引き立つように、白地に空色と濃紺の縞目の練込み手の花器を選んだ。花材カーネーションクロトンの葉花器練込み手コンポート粛11

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