4月号
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のひ一とと季与。Lゅんじっぉ梅から桜への一季梅が終わって柳が芽吹きはじめ、椿が真盛一りになる三月と四月の狭間京都の鴨川堤に桜の咲く四月六日頃には柳は緑の葉をつけて風を誘う。そして庭の椿も花が少なくなってくる。三月から四月へ。あたりの葉や花は旬日を措かず変わり続ける。しっかり見ておかなければと思っていけたのが、この投入である。季節の変わり目は心が弾む。晩秋には今度の冬は、中京にも少しくらい雪の積もる日は来るのかな、と嵐山や大原の雪景色を想ったり、暖かいセーターを着て本屋廻り。そして四月が近付くと、去年の秋、孫と二人で見に行った平野神社の十月桜と、四月の本桜とはどんな違いがあるのか一緒に見に行って確かめさせてやりたい。だが今年の春は忙しそうである。いけばな展も多そうだし、仙渓と楼子がきっちり日程を立ててくれているので有り難いが、あまりのんびり季節を楽しんでもいられない。楼の咲く前の投入なので、梅は花の散った苔枝を使っている。私の陽春を迎えるための一瓶である。花材枝垂柳椿(紅白二色)花器〈表紙の花〉仙驚梅(花後の脊枝)鉄粕筒型花瓶ひとときぶんたんキャンドルスタンドに花を文旦とコチョウランフランス製のキャンドルスタンドは縦の色の組み合わせが、それぞれにネジではずせるようになっていて順番を変える事できる。こげ茶、グ赤、ピンク、オレンジ、黄、グリーン、水色と思いつかないようなカラフルな色使いだ。花の色も、この九色の中から似たような色の花を選んだ。ラナンキユラスと小手強。ラナンキユラスの色はこげ茶色と赤の中間色である。そんな不思議な色の花びらが幾重にも重なって大輪の花を形成している。以前のラナンキユラスには考えられないような深みのある色あいがこの花だけでなく、他の花にも増えてきた。このスタンドにはキャンドルではなく、絶対花を飾りたい。春の香りいっぱいの土佐文旦をいただいた。土佐文旦は樹木が冬の寒波に弱く、高知でも特に暖かい地域でしか栽培されていないと書き添えてあった。きっとこの果物が実りを迎える頃は、菜の花や麦畑も豊かに咲き、育っているに違いない。この果物を手に取ると、そんな暖かさが伝わってくる。珍しい黄色のコチョウランと一緒にいけた。爽やかな香りと上品な味の果物に似合、つ気がする。〈2頁の花V棲子レl、白、〈3頁の花〉棲子2

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