4月号
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とげ木瓜白椿花型二種挿副流し花器三島乎耳付花瓶私にとって木瓜は興味の尽きない花材である。よくしまった形の枝からいきなり間延びした枝が出ていたり、奇妙に曲がったす詰まりの枝がついていたり十’る。同じ蓄積科の花木でも、梅や桜は日本画によく描かれているし、古くからの花型図が残されているので何となく心の中で形ができているようである。ところが木瓜は花が美しいのに名画の作例はあまりなさそうだし、いけばなでは赫がある上に枝がひどく交差しているので嫌われていたようである。ということは古いしきたりから、かなり自由な花材だとも云える。切花向きの木瓜として作例のようにのびるにまかせた枝振と、若枝を切りつめて複雑に交差した関東型の二種がある。いずれにしても伺性の強い花材であることに変りはない。真、7

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