4月号
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ぽいも黒芽柳・貝母すじものえにしだ花型二種挿副流し花器灰色紬花鉢黒芽柳の束をほどいて、一本一本形を見定め、どれを真にして、この枝を副にすれば良い姿にいけ上がるのではないかと計算する。条物とよばれる柳類、金雀枝だと一本なりで分かれ枝を切りとって使うことが多い。だが黒芽柳は大よその形はあるにしても一本一本がそれぞれ趣がちがっているので花型を選ぶのが楽しい花材である。この生花では副と胴に分かれ枝が四、五本づっ出ていたが、分かれ目の段と揃えると二本で副や胴の沈みまで出来上がる。他の柳類のように、櫛で杭いたように整然とした花型にはいけ上がらないし、又そのようにいけようとも思わないが貝母を情に根締めのようにあしらってみた。全体に腰高で定型から、ややはずれているが、三月下旬から四月に入る頃の心の弾むようなのびのびした感じはでているのではないかと思う。7 llilJ

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