4月号
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エビ、デンドロビュームはさびた朱色の洋蘭。(花屋ではエビデンドロといつている)、ばいもは漠字で貝母と書いて古くよりある日本の草花。(百合科)対照型に活けたこの瓶花は色彩的にも淡白な感じで美しい。花器は淡い紫色の陶器で、軽やかな形をしているっあつさりとした材料に調和していると思う。形としては平凡だが、色彩的には而白い配色である。茶花にも使うばいもも洋蘭と合せてみると、案外調和するものである。Rとくさ、あざみ、たましだの三種盛花。温室づくりのあざみだが花も美しく、葉もくろぐろと勢がよい。とくさの細い茎を5本、軽くすきまをとつて変化のある様に丸べ、あざみを左に、たましだを右と後方に配悩した。花器は淡青磁の鉢゜三種とも軽やか材料を選んだので、温和な花だが落若のよい雅致のある盛花となった。手軽に括せて効果のよい盛花である。とくさは数少なく入れると、他の花を引立てることの出来る好ましい材料である。A B cミリオクラタスの浅みどり、ばいもの浅みどり、二つとも殆んど同色の緑色の配合である。花器は変型の二つ口の花瓶、ミリオクラタスの軽やかな緑の中に、ばいもの小さい花が交つて清楚な感じがする、意匠的な花といえよう。こんなに二つの口のある花瓶は、別々の花を挿しても、その二つのものが相互に結び合う様に活ける必要があり、花瓶の形があまりにもまとまつているので、下手にやると花瓶に注文をつけられて活けることになり、嫌な思いをするものである。形がよくて使い方を考えねばならぬ花瓶といえる。c 6 RRc R工ヒ°デンドロビュームとくさあざみミリオクラタスばしヽもたましだばいも

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