4月号
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陶器の中でも青磁は、古い時代から一ばん高貴なものとされている。中国の古い時代に作られた青磁には優れたものが多く、日本でも青磁の名品が随分ある。殊に京都五条には名家が多く、蘇山、東山、寛次郎、与平、香山、仁松などの青磁は有名である。青磁の花瓶は花うつりのよいもので、百合、牡丹、かきつばた、桔梗、菊の類は殊によく、すすき桔梗、女郎花など夏の花には、殊にすがすがしく美しい。青磁の花瓶には伝統的に定った形がある。古い形式のものだが一応、ここに並べて見よう。きぬたう、その形を模したもの。鳳凰耳をつけたもの。二重蕪りのある形。桔梗口の形にひらいたもの。いる。動かないのを不遊環と云鯉耳龍耳中蕪遊環算木青磁の花瓶布を打つ槌をきぬたといきぬたの形に鳥の形の耳魚の耳をつけたもの。龍の耳をつけたもの。(そん)の形胴のふくらみの処にくく徳利形にて口の形が桔梗耳の輪が動く様になつて経筒の形。(その他)c紅ボケ、白百合の盛花である。この花器は黄せいじの長方型花瓶で、古風な感じの器である。かなり年代のある渋い陶器なので、花も和趣味の落ついた材料が調和する。椿、水仙、杜若、菊、山百合、女郎花、桔梗などの雅致のある花が調和するだろう。老松にばら、ぼたん一種など必ず引き立つに迅いない。フリヂヤc c紅ぼけ白百合つばきかなり名エの作品で上品な感じの花器である。紅ぼけに、白百合をあしらって低く横ひろがりに挿したが、横長の花器の半分ほどに花を入れて、右方をすかせて花器の内部の見える様に活けた。温雅な感じの花で、床の間に書軸や墨絵をかけて、下座の板に飾ればよい調和となるだろう。⑪淡紅の八直椿にフリーヂヤの瓶花である。花器は褐色に白を交えた陶器で、変った形の壷である。椿とフリーヂヤは、反対の感じの花材だが、この場合はよく調和している。花器の明るさがフリーヂャと一致しているからだろう。たっぷりとした椿の花葉に対して軽やかなフリーヂヤの茎線が、必要な場所に、それぞれのびやかに入って、ぼつんとした椿の形に軽快な感じを添えている。桁の足もとをすかせて、浅みどりのフリーヂヤの茎と葉を見せるようにした。どつしりと安定して、しかものびのある形°巾々、そいにくい材料だが、しつくりと相寄つているところが、この瓶花のよい所だと思う。椿の下枝も花器の上に調子よく出て、枝のすき合いも適度である。5 匹寸⑪ D “ l h

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