4月号
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ヤ0Rテツボウユリ、浪い紅バラ2本の瓶花。これは右勝手の基本型に入った形で、温和な取合せと花型の瓶花である。花器は黒色に渋い赤色の図様のある新しい形の陶器で、この花瓶はどの花を活けてもよく調和する便利のよい花器である。中に剣山を入れ一部分は丁字留で留めてある。百合は右へ高く副、中央に低く真を入れ、少し左へ傾けた、中間と兼用の形である。胴に百合、留と控にバラ2本を括した。後方の控を特に高く入れ、のびやかな感じを作ったが、この瓶花で一ばん特微のあるのは、この控のバラの入れ方であろう。他の材料の場合にも、こんな控の入れ方をするのも面白い。全体に温和な形だが、控のバラの入れ方によって、この瓶花に明るさをつくり出している。ーヂヤ5本、バラ2本の瓶花。まるみのあるバラの葉に対して、細くゆるやかな曲線のフリーヂバラの葉は面、フリーヂヤは線。面と線の組み合せは当然、よい調子を出している。色彩的にも美しい瓶花である。花器は淡い褐色に図様のある横長の扁平な花瓶で、これも軽Rフリやかな感じの花器である。花形は左右にひろがった対照型に入れたが、かなり前方へ倒れている。ここで注意して欲しいことは、このフリーヂヤ、バラはどちらも短い材料で、一般のいけばなのくせである木ものに草花をあしらう、あれとは少し迩う軽やかな取^11せをしている。そんなに見ると、ユリとバラも、次。ヘージのツバキ、フリーヂヤも、ヂンドロビューム、バイモも、ミリオクラタス、バイモも、どれも軽やかな挿し方で春の花らしい明るい作品といえよう。A ノゞラいけばなにとつて、のびやかな作品であることはいつの場合にも必要なことである。のびらかという言葉も同じ意味だが、すらすらとしてよどみのない流腸、のびやかに美しい流麗。大体、同じ様な意味をもつている。どのくらい技巧的に上手に活けてあつても、そのいけばなにのびやかB のぴやかささのない作品は、新鮮さに乏しく折角の材料を活かすことが出来ない。見る人に魅力を与えるいけばなではない。花葉枝をのびのびと使って、どこまでものびてゆく様な印象をもつ花は、新しい活力に満ちた作品といえよう。短い草花であっても用い方によってはのびのびとして見える。長い枝ものであつても用い方によつては短かく見える。いけばなはいつの場合でも、萎縮しない様に自由におおらかに活けたいものである。4 .... ノゞラテツボウユリ@ フリヂヤ•. 磁1-

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