4月号
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あやめあやめ社若龍塗朱杜若、花菖蒲等菖蒲科の植物の葉のどちらが裏でどちらが表かという乙とについてよく質問を・つける。生花のきまりでは凹面が表、凸面が裏とされているが、植物学の上では菖蒲科の葉は単面葉といって両面とも裏なのだそうである。右の図⑧は菖蒲科のグラジオラスの葉の断面図だが最下部では葉の背の部分で二つ折になって左右がだきあっている。拡大してみると中段のような構造で内側が表、外側が哀である。上部になると葉の表の面同志がくっついて外側には葉の裏面だけがでることになり単面葉と名付けられている。葉に山田と凸面があるにしても隣同志反対向のがあるのはそのような訳である。生花で言、っ表裏は正しくは凸面、凹面というべきで、その使いわけには合理性がある。⑮図を見ればわかるように凹面の方向に傾けると葉先が不格好に垂れやすく、凸面の方向に傾けた場合はピンと姿よく立っている。だから真より前の方で前傾させる葉は凸面を前に向けて組み、真の花より奥で後に働ける葉は凹而を前に向けていけるのである。株分け花器7

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