4月号
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この月号テキストには14作の盛花瓶花の作品を掲載しました。春の草花を主材、副材に使って活けたのですが、四月から五月、六月へかけては、草花の多い季節ですから、その特徴を考えて、いろいろその配合、いけばなの形、感情のあらわし方について工夫をすると、随分面白い感じを出すことが出来ると思います。草花は花の色彩に璽点があり、色彩の組み合せと、さらに色彩によって作り出される花の芸術、といった点に考兄るべき点が多いと思います。このテキストは単色の印刷であり、その点不充分でありますが、解説をよく読んで色調がどうか、色彩についての工夫をくみとって欲しいと思つのです。いつもこのテキストでお話しているのですが、いけばなは形と色調と作品の感じとでなり立つものでありますから、ことに今回のテキストにあるような春の花は、なおさら色彩の考案に重点がありますから、この点について特に注意して欲しいのです。一般に桑原専股流のいけばなは色彩が美しいと評判されています。これは各作品の色調について特に深い注意をはらって、ことに盛化、瓶花は花形と色調が、同じ割合で二つとも重要であることに、常々深い注意をはらっているからです。したがって皆さんが盛花、肢花を活けるとき、形だけを考えるのであったなれば、それはその作品の五0。ハーセントだけしか考えない、ということになります。Rお松、ぜんまい、。ハンジーの三種の瓶花である。白泥の新しい様式の花器は三角型で明るい感じの陶器である。ぜんまいは緑褐色のかなり太いものを四本入れたが、松の前に重ねたぜんまいの形が而白く変わっていると思う。松も普通のお松ではなく栽焙秤のものだが、足もとにつけた。ハンジーは、強きものに対する繊細なやさしい砥じの草花で、配合も少し変わっている。変わっているけれど出米上がったところはびったりとして、特殊な必じを出している。色杉的にも美しい花である。。ハンジーは茎の長さが20センチもあって特殊栽焙の材料であり、水揚もよい稲類である。下部の右方へさし出した。ハンジーの長い茎がこの瓶花を引き立てていると思う。花器の中へ剣山を入れて留めた。(。ハンジーは黄紫色)時として形よりも色調に重点を齢くといった場合もあるわけですから、いかに色調が大切であるかを充分注意されたいと思います。いけばなの材料として草花と同時に木の材料も必要であることはいうまでもありませんが、木ものは永く日持ちがするという考え方は訂正すべきだし、木ものも新鮮な感じで見られるのは草花の日持ちと、あまり変わらないものです。2 草花と色調R 松ぜんまいノぐンジ一

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